新しく母親となった女性の約6人に1人は産科退院時に、育児に対する心構えができていないことが新しい研究によって示唆された。米国では1998年に施行された連邦法により、出産後、特に問題がなければ普通(経膣)分娩で最短48時間後、帝王切開で最短96時間後に退院することが定められている。
今回の研究は、米ダートマスDartmouth小児病院(ニューハンプシャー州レバノン)のHenry Bernstein博士らが、出産後の意思決定プロセスとそれが新生児期にもたらす影響について検討するため、国内112施設450人の臨床医師の協力を得て、母親と乳児4,300組を対象に実施したもの。母親、産科医、小児科医を、退院時期決定の重要なパートナーとみなした。
研究の結果、新しい母親と乳児の17%は退院時にまだ「心の準備ができていない」ことが判明。11%の母親が準備不足と感じているが、そう感じている小児科医は5%、産科医は1%のみであった。Bernstein氏は、母親と医師が一緒に決定を下すべきで、心の準備を整えるには乳児とその家族に対し個別の退院計画を立てることが必須だという。
準備不足と感じる8つの要因として、母親の慢性疾患の病歴、初産、不適切な妊婦管理、診療時間外の出産、病院で起きた新生児期の問題、院内学級数の少なさ、授乳計画、母親の人種(黒人は白人に比べて準備不足と感じる割合が約40%高い)が挙げられた。また、入院期間の長さが心構えの決定要因ではないことも判明した。
米St. John Health's Providence病院(ミシガン州サウスフィールド)のRobert Welch博士は「入院期間よりも教育が重要」という。こういった問題が生じた原因として社会の変化を挙げ、かつてのように育児を支え教えてくれる祖母はおらず、母親は乳児と二人きりになってしまうことから、母親は子どもが欲しいと思った最初の時点から育児支援システムを作り始めるべきで、さらに、標準化された産後教育を病院で提供することも有用だと述べている。
Bernstein氏らは、今後の研究で、こうした準備不足が新生児に及ぼす影響を検討するため、退院4週間後の新生児の健康状態を調べる予定だという。研究は米医学誌「Pediatrics」8月号で報告された。(HealthDay News 8月6日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=607040
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