注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、脳内物質ドパミン産生の変調によって起こる実在する疾患であることが2つの研究で示され、ともに米医学誌「Archives of General Psychiatry」8月号に掲載された。
第一の研究は、米国立精神衛生研究所(NIMH)のPhillip Shaw博士らによるもの。研究グループは、ADHD患児105人と健常児103人(平均年齢10歳)のMRI脳スキャンおよびDNAを比較検討し、さらに6年後にADHD患児のうち67人の評価を行った。その結果、ドパミンD4受容体(DRD4)に特定の変異がある小児はADHDリスクが高いことが判明。しかし一方で、このDRD4変異をもつADHD患児は長期的な転帰が良好で、知能もやや高い傾向があることがわかった。
第二の研究は、米国立薬物乱用研究所(NIDA)のNora D. Volkow博士らによるもの。向精神薬リタリン(一般名:塩酸メチルフェニデート)の使用経験のない成人ADHD患者19人と健康な成人24人に、リタリンまたはプラセボ(偽薬)のいずれかを注射した後、脳スキャンを実施した。その結果、ADHD患者には脳ドパミン系の機能低下が認められ、リタリンによって機能の改善がみられた。このことからADHDにドパミンの減少が関与していることが示されたほか、ADHD患者が薬物乱用に陥りやすい理由も説明できるとVolkow氏は述べている。ニコチン、コカインなどほかの薬物もドパミン機能を向上させるもので、患者は「気分よく」感じるのだという。
ADHDは実在する疾患ではなく、薬剤を売るために作られた疾患であるとの神話が横行しているが、今回の知見はADHDが正当な疾患であり、薬物治療などの措置を要するものであることを示すとVolkow氏は述べている。(HealthDay News 8月6日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=607086
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