大豆製品由来の植物性エストロゲンであるゲニステイン(genistein)が骨塩量を増加させることが、閉経後の高齢イタリア人女性を対象とした研究で明らかにされた。大豆イソフラボンの一つ、ゲニステインは、ホルモン補充療法(HRT)でみられる心疾患や癌(がん)のリスク増大などの副作用をもたらせないで骨形成を促すとして期待されている。
米医学誌「Annals of Internal Medicine」7月19日号に掲載された研究では、イタリアAzienda Ospedaliera Universitaria Policlinico(メッシーナ)のFrancesco Squadrito博士らは、閉経後女性389人(49~67歳)を、ゲニステイン54mg 1日1回またはプラセボ(偽薬)投与の2群に無作為に割り付け、24カ月間投与。試験開始時、12、24カ月後に腰椎と股関節の骨塩量を測定した。
ゲニステイン、プラセボ群ともに、骨形成に必要なカルシウムとビタミンDを服用しており、1日量はカルシウム500mg、ビタミンD400IU(国際単位)であった。対象となった女性では骨減少症が認められ、骨塩量が正常より低かったものの、骨が脆(ぜい)弱化し骨折しやすい骨粗鬆(しょう)症と分類されるほどではなかった。
2年後の骨ミネラル量は、ゲニステイン群のほうがプラセボ群よりも高かった。今回の研究の共著者で、米国ユダヤ医療研究センター(デンバー)生物統計学者のSteven Wilson氏によれば、投与開始1年後の時点で、ゲニステイン群では骨塩量の減少が止まっただけでなく増加し始めたが、プラセボ群では年齢相応に減少し続けた。また、ゲニステイン群では骨塩量減少に対するホルモン療法で指摘されている子宮内膜の肥厚は認められなかったが、消化管の副作用がより多くみられた。
米ハーバード大学(ボストン)公衆衛生学部教授のFrank Sacks博士は、大豆のもつ骨形成の潜在作用を指摘しながらも、乳癌や子宮癌に関連する安全性の問題面でさらなる研究が必要だと警告している。同博士は「今回の研究は、大豆の植物性エストロゲンサプリメント(栄養補助食品)を摂取すべきでないという、多くの専門家の全体的な見方を変えるものではない」と語っている。(HealthDay News 6月18日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=605630
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