既存の薬剤で十分な効果が得られないクローン病に、新薬のcertolizumab pegol(セルトリズマブ・ペゴル)が有効である可能性が、米医学誌「New England Journal of Medicine」7月19日号掲載の2つの研究で示された。この新薬は標準薬と同様に作用するが、現在USB Pharmaが開発中であり、米食品医薬品局(FDA)の承認はまだ受けていない。
クローン病は、20-30歳代の若年者に多く見られ、腸などに炎症を引き起こし、痙攣(けいれん)や下痢といった症状をもたらす。中等度から重度の症例には、既存の抗腫瘍壊死因子(TNF)-α(アルファ)薬であるインフリキシマブ(レミケード)とadalimumab(アダリムマブ; Humira)が用いられているが、副作用や寛解率がさほど高くないという問題がある。
第1の研究は、ドイツ、Christian Albrechts大学(キール)のStefan Schreiber博士らが、中等度から重度のクローン病患者668人を対象に実施したもの。4週間に3回、certolizumab pegolを400 mgを注射投与し、奏功した患者を同剤の継続投与またはプラセボ投与のいずれかに割り付けた。26週目で寛解を示したのは、継続投与群が48%、プラセボ群は29%のみであった。
第2の研究では、米メイヨークリニック(ミネソタ州ロチェスター)のWilliam Sandborn博士らが、662人を対象に、certolizumab pegolまたはプラセボを4週間に3回投与し、その後4週間毎に1回投与した。短期成績はcertolizumab群のほうが良好であったが、長期の寛解率は2群ともほぼ同じであった。
米ペンシルバニア大学医学部助教授のJames Lewis博士は、この2つの研究結果はどちらもこの新薬が「有効」であることを示唆していると述べ、承認されれば、抗TNF製剤間で変更が可能となり、新薬と既存の2つの薬剤は、有効性、コスト、利便性に基づいて処方されることになるだろうと予測している。
米ルイビル大学(ケンタッキー州)医学部助教授のGerald W. Dryden Jr.博士氏は、自宅で月1回注射するだけでよいという新薬の簡便さが、患者にとっては魅力的だと述べている。(HealthDay News 7月18日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=606502
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