ライフスタイルの基本である食生活と運動が、癌(がん)の転帰に影響を及ぼすという研究成績が、シカゴで開かれた米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次集会で報告された。
第1の研究は、外科手術と化学療法を受けたステージIIIの大腸(結腸)癌患者1,000人以上を対象に、米Dana-Farberダナファーバー癌研究所/ハーバード大医学部(ボストン)助教授のJeffrey Meyerhardt博士らが実施したもの。患者に対して化学療法終了後6カ月間の食事に関する質問をするとともに、癌の再発や死亡について追跡調査を行った。
食事のパターンを、赤身肉や脂肪分、デザートを多量に摂取する「欧米型」食事と、フルーツ、野菜、鶏肉、魚を多量に摂取する「思慮深い(prudent)」食事の2パターンに分けて検討した結果、欧米型食事の比率が最も高かった人の再発や死亡のリスクは最も低かった人のほぼ4倍であった。Meyerhardt博士は「食事は標準治療に代わるものではないが、大腸癌生存者に影響を及ぼす可能性がある」としている。
米Fox Chaseフォックス・チェイス癌センター(フィラデルフィア)のNeal Meropol博士は、食事と癌の発現や再発の問題は非常に複雑だとしながらも、「今回の結果は、患者が行動を変えることで大腸癌による死亡リスクを低減できることを示唆する非常に重要なものだ」と述べている。
第2の研究は、化学療法と放射線療法またはそのいずれかを終え、ホルモン療法を開始する前の乳癌女性101人を対象にしたもので、同じダナファーバー癌研究所のJennifer Ligibel博士らによって実施された。
従来の研究では、余分な体重を落として運動した女性の乳癌再発リスクは低く、診断時に肥満を認めた女性では再発率が高いことが示されている。
今回の研究では、心血管を強くする運動と筋力トレーニングの16週間プログラムか、「通常(normal)」の治療のいずれかに患者を割り付け、体重や体組成、胴囲、腰囲を測定するとともに、インスリン濃度と血糖値を測定した。その結果、運動群ではインスリン濃度が約20%有意に低下し、インスリン感受性が改善する傾向も認められた。
Ligibel博士は、最終的な目標として、運動群と運動をしない群で乳癌に及ぼす影響を比較検討したいとしている。(HealthDay News 6月3日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=605210
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