米国立癌研究所(NCI)が、高リスク女性での新世代アロマターゼ阻害薬の乳癌(がん)予防効果を検討する1億ドル(約123億円)規模の研究(臨床試験)を中止した、と米ワシントンポスト紙が報じた。
この研究では、米国とカナダの500地域で女性1万2,800人を対象に、エストロゲン合成阻害作用をもつアロマターゼ阻害薬レトロゾール(フェマーラ)またはエストロゲン受容体調整薬ラロキシフェン(エビスタ、骨粗鬆症治療薬としても知られる)のいずれかを投与し、5年間追跡する計画であった。しかし同紙によれば、NCIはこの研究の安全性と有用性に多数の疑問があると判断したという。
この研究により、乳癌リスクの高い女性に新たな選択肢がもたらされる可能性もあったが、多数の副作用が知られるアロマターゼ阻害薬を治療に取り入れるには、効果の高い層や長期的な影響などがさらに詳しくわからない限り、危険性が有望性を上回るとの見解をNCIは示している。同薬によるリスクの1つは骨がもろくなることだという。
今回の中止について、専門家や患者の反応はさまざまである。この研究が科学的に正当なものであり、多数の女性を救う可能性があったとする意見がある一方、健康な女性に強い薬剤を投与することに反対する意見もあるという。現在、米国と英国でアロマターゼ阻害薬とプラセボ(偽薬)とを比較する2つの大規模研究が実施されており、このこともNCIが今回の中止を決めた要因の1つであると同紙は報じている。(HealthDay News 6月20日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=605744
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