過敏性腸症候群(IBS)は、米国人の10~15%が罹患する一般的な疾患だが、米ミシガン大学ヘルスシステム消化器病専門医のWilliam D. Chey博士は、患者だけではなく多くの医師がIBSを誤解していると指摘する。
IBS患者が経験する症状は広範囲に及ぶため、このことが診断を難しくしている。多くの患者の症状に食品が関与していることは知られているが、引き金となる食品は人によってまちまちだ。
症状としては、痙攣(けいれん)、腹痛、鼓(こ)腸、便秘、下痢などが挙げられる。患者が疾患をより理解できるよう、Chey氏は下記の情報を提供している:
・ IBSは心の問題ではない。心理学的抑圧やストレスでIBSが悪化することもあるが、一次的な原因となるケースはまれである。
・ 女性に多いとされるが、男性患者にも多いことを知っておく必要がある。高齢者も罹患しており、8~10%が罹患しているとする研究もある。
・ 多くの医師が、寿命には影響しないとして、重大な疾患として捉えない傾向にあるが、生活の質(QOL)や、日常生活に大きく影響する疾患であり、医師、患者ともに真剣に受け止める必要がある。
・ 乳糖(ラクターゼ)不耐症が役割を果たすこともあるが、大半のケースでは症状の原因とはならない。
・ ほとんどの患者で刺激性の食べ物に対する食事制限は必要ない。食事内容とIBS症状を記録する日記が勧められる。症状を発現させる原因となる食物は、2週間経過すれば判明することになり、それらを食事から排除させることは容易である。悪化させる食品は、脂肪性食品、乳製品、チョコレート、酒類、カフェイン、炭酸飲料などである。
・ IBSの診断に医学的検査を多く行う必要はない。排便傾向の変化が伴う腹痛が継続的に再発し、以下の徴候が除外されれば正確な診断が可能である:50歳以降で初の症状、消化管出血、原因不明の体重減少、夜間の下痢、大腸癌(がん)の家族歴、炎症性腸疾患、大腸癌かセリアック病。
・ 患者のIBS管理には、適切なカウンセリング、食事やライフスタイル(生活習慣)の改善、治療薬が有用である。
(HealthDayn News 4月21日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=603612
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