アルコール乱用による知性の損失は、たとえ少ない量での短期間摂取でも、男性に比べ女性で大きいことが、医学誌「Alcoholism: Clinical and Experimental Research」5月号掲載の研究で明らかにされた。アルコールによる認知障害は、飲酒者の視覚作業記憶、問題解決、認知の柔軟性などに影響を与え、仕事面で混乱を来すだけでなく、社会生活で適切に行動することも困難にさせることが考えられる。
ロシア、レニングラード地域中毒センターに登録されたアルコール依存症患者を対象とした今回の研究では、依存症の女性24人、男性78人と、非依存症者68人が比較された。被験者は全員40歳以下で、依存者は3週間の断酒後に参加。男性患者の平均飲酒期間は14.8年、女性は10.6年。被験者には、形体パターンをマッチさせる能力、刺激位置の記憶、矛盾した情報に直面した場合に色を示すなど、一連のコンピュータ作業による評価が行われた。
その結果、ほとんどの作業において女性患者は男性より著しく劣ることが明らかにされた。非依存症者は依存症患者より作業結果はよかったが、学歴が影響を及ぼしている可能性も考えられた。今回の研究結果は、以前に行われた作業記憶などを評価する研究で、女性患者は男性より得点が低いとする内容を裏づけている。別の研究では、女性依存症患者は男性患者に比べ、肝臓、心臓、筋肉が加速度的に損傷されていることも明らかになっている。
研究著者で米RTI (Research Triangle Institute)International(ボルティモア)のBarbara Flannery氏は、禁酒によって依存症患者の認知障害が回復する期間や程度については不明だという。思春期のラットを用いた研究結果から、依存症の10代の脳は、成人の脳に比べ記憶損失による悪影響をより強く受けることが示されているが、このことは、アルコール乱用に陥った10代の少女は、長期的な認知障害に対して最も脆弱(ぜいじゃく)であることを意味している。
米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)薬物乱用専門家のMatthew Torrington氏は、1週間に7杯以上摂取する女性、14杯以上摂取する男性を依存症リスクにあると定義づけた世界保健機関(WHO)のガイドラインを引用し、「女性の体脂肪率の高さは、アルコールの毒性が2倍強いことを意味する」と述べている。(HealthDay News 4月27日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=603982
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