狂牛病に似た脳症状からマウスを保護するワクチンが、米国の研究グループにより開発され、ボストンで開催された米国神経学会(AAN)年次集会で報告された。
ウシ海綿状脳症(BSE、狂牛病)、スクレイピー、慢性消耗症などの病態はプリオン病と呼ばれ、プリオン蛋白(たんぱく)に感染することによって生じる。いずれも治療法がなく、治癒も見込めない。プリオンは本来の正常な蛋白と極めて似ているため免疫システムの攻撃を受けず、感染した動物の体の一部をほかの動物が食べることによって伝播(でんぱ)する。
今回、米ニューヨーク大学医学部Thomas Wisniewski博士らは、遺伝子操作したサルモネラ菌にプリオン蛋白を付着させることによってマウスの免疫システムを刺激するワクチンを作り出したという。このワクチンには、マウスのプリオン病を予防するほか、症状の発現を有意に遅らせる効果も認められた。
研究グループは現在、シカやウシへの利用を目指してこのワクチンの再設計を行っているが、ヒトへの利用が可能になるまでにはさらに多くの研究が必要だという。ヒトのプリオン病は通常自然発生によるもので、汚染された肉の摂取が原因となることはまれだが、例えばシカやエルク(ヘラジカ)の慢性消耗症が大発生した場合などで、狩猟地区の人を守るためにこのようなワクチンが必要になるだろうとWisniewski氏は述べている。(HealthDay News 5月3日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=604164
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