たばこを間接的に吸う受動(二次)喫煙がアルツハイマー病などの認知症リスクを高めることが、新しい研究によって明らかにされた。これまでの研究でも、受動喫煙と心血管疾患との関連性、動脈硬化症と認知症のリスク増大との関連は示されていたが、受動喫煙と認知症との関連を検討した研究はこれが初めて。
この知見は、ボストンで開かれた米国神経学会(AAN)の年次集会で、米カリフォルニア大学バークレー校統計学のThaddeus Haight氏が発表した。Haight氏らは、他人の吐き出した煙を吸入すると認知症の発症率が高まることを示し、受動喫煙が認知症をもたらす神経変性過程に影響を及ぼす可能性を指摘している。
今回の研究では、長期の心血管健康調査に登録した約3,600人のデータを評価し、心血管疾患も認知症も認めない985人の喫煙未経験者と、受動喫煙に平均28年間曝露された495人とを比較した。6年間の追跡調査の結果、受動喫煙に30年以上曝露された高齢者が認知症になる可能性は曝露のない人に比べ、約30%高いことが判明した。
また、心血管疾患を有する人が受動喫煙に長期間曝露された場合には、認知症リスクがほぼ2倍に増大した。このほか、心血管疾患と診断されていなくとも、頸動脈に狭窄などの異常が認められ、受動喫煙に曝露された人の認知症リスクは、どちらもない人の2.5倍になることも示された。
米国アルツハイマー病協会のBill Thies氏は「心臓に悪ければ脳にも悪いのは理にかなっており、危険であることは確かだ」という。子どもをたばこ被害から守る活動団体「Campaign for Tobacco-Free Kids」会長のMatthew L. Myers氏は「米国各州において、職場や公共の場を含めた全面的な禁煙法を通過させる必要性を裏付ける知見だ」と述べている。(HealthDay News 5月1日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=604006
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