癌(がん)患者が、新しくかつ治療効果のある抗癌薬を使用できる恩恵は、暮らす国に大きく依存していることが、スウェーデンの研究で明らかになった。
研究者らは、オーストラリア、カナダ、日本、ニュージーランド、南アフリカ、米国、欧州19カ国を含む25カ国における、67種類の新しい癌治療薬の使用状況を調査。その結果、新薬の使用が最も進んでいたのはオーストリア、フランス、スイス、米国で、逆に最も遅れていたのはニュージーランド、ポーランド、チェコ、南アフリカ、英国であることが明らかになった。
差が最も顕著であったのが、新しい大腸癌と肺癌治療薬の使用頻度。大腸癌治療薬bevacizumab(ベバシズマブ:日本では現在承認申請中)と肺癌治療erlotinibでは、米国での使用量は欧州平均の10倍であった。また、大腸癌治療薬cetuximabの使用頻度はフランスと米国で最も高く、フィンランドで最も低かった。肺癌治療薬ベメトレキセド(日本では悪性胸膜中皮腫のみ適応)は同じくフランス、米国で高く、カナダ、チェコ、ニュージーランド、ポーランド、英国で低かった。
研究共著者のストックホルム商科大学医療経済センター長のBengt Jonsson博士は、治療の進歩により、現在では癌患者の半数以上は治癒するか他の原因で死亡している。ただし、この便益は治療薬が患者に処方されて始めて認められるものであるという。
今回の報告で、多くの国では新しい治療薬が早期に患者に行き渡っておらず、患者の生存に有害な影響を及ぼしている。最良な治療を受けられるか否かは、住む国によって決まる。「このような格差は、経済的な要因によるものが大きいが、それ以外の説明不可能な面が多々ある」と述べている。
研究結果は、医学誌「Annals of Oncology」5月10日号に掲載されている。(HealthDay News 5月10日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=604471
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