インスリン分泌量の多い人は、低脂肪、高炭水化物の食事を摂るよりも、脂肪分がやや多めで精製炭水化物の少ない食事を摂る方が体重を減らしやすいことが新しい研究で示され、米国医師会誌「JAMA」5月16日号に掲載された。
米ボストン小児病院のCara Ebbeling氏らは、インスリン分泌量の差によって有効な食事計画が異なるのかどうかに着目し、肥満の若年成人(18~35歳)73人を対象に6カ月の治療期間および12カ月のフォローアップ期間の追跡を行った。これまで、低脂肪食によるダイエットの成否が分かれるのは単に意欲の問題であるとされてきたが、今回の結果から、インスリン分泌の差が少なくとも原因の1つと考えられるとEbbeling氏は述べている。
今回の研究で、被験者の半数は炭水化物55%、脂肪20%の食事を摂取し、残りの半数は炭水化物40%、脂肪35%の食事を摂取した。研究開始時に、ブドウ糖75gを経口摂取した後の血中インスリン濃度を測定した。全体では両群の間に体重低下の差はみられなかったが、インスリン値が平均を超える人の体重低下は、低脂肪食では18カ月で2.6ポンド(約1.2kg)だったのに比べ、低炭水化物食では18カ月で12.8ポンド(約5.8kg)と大きな差があった。また、低炭水化物食群ではHDL(善玉)コレステロールおよびトリグリセライド(中性脂肪)の値が大きく改善したのに対し、LDL(悪玉)コレステロールについては低脂肪食の方が大きな改善が認められたという。
従来の低脂肪食で減量効果がみられない人では、低血糖負荷食が有効な可能性があるとEbbeling氏は述べている。低血糖負荷食は血糖インデックス(GI)の低い炭水化物を中心とするもので、吸収がゆるやかで、インスリン値を比較的安定に保つことができる。低血糖負荷食にするには、精白パン、精白穀類、クッキーや甘い飲料など避け、果物、野菜、豆類、低精白穀類を多く摂るのがよいという。
米国栄養協会(ADA)のLona Sandon氏は、これまで専門家が漠然と感じていたことが、この研究により裏付けられたと述べている。しかし、多くの人は自分のインスリン分泌量など把握しておらず、肥満であるからといって必ずしもインスリン値が高いわけでもないと同氏は指摘している。Ebbeling氏によれば、自分のインスリン産生量を知るには経口ブドウ糖負荷試験を受ければよいとのこと。(HealthDay News 5月15日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=604643
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