iPod(アイポッド)などの携帯音楽プレーヤーが、心臓ペースメーカーの誤作動をもたらす可能性のあることが米国の高校生による研究で示され、デンバーで開催された米国不整脈学会(HRS)年次集会で発表された。
今回の研究に取り組んだのは、米ミシガン州Okemos高校の生徒Jay Thaker君のチーム(ミシガン州立大学およびミシガン大学の医師らを含む)で、患者83人に対し胸部から2インチ(約5cm)の位置にiPodを近づけ5~10秒間維持した。その結果、29%にいわゆる「遠隔干渉」、20%に「過感知(ペースメーカーによる心機能の読み取りミス)」が生じたほか、1例でペースメーカーが作動を停止した。また、数例ではiPodを胸部から18インチ(約46cm)離した状態でも干渉が検知された。
Thaker君によると、特に問題となるのはペースメーカーに心拍の履歴が記録されることで、この履歴を調べた医師が、不整脈があったと思い込み不要な治療を行ってしまう危険があるという。さらに、ペースメーカーに完全に依存している患者の場合、iPodによってペースメーカーの作動が止まれば心停止に陥る可能性もある。多くの電気機器が同じような影響をもたらす可能性があり、医師はペースメーカーに電気機器を近づけないよう患者に指示している。
ペースメーカーを装着する患者がiPodを使用することは少ないものの、この種の音楽プレーヤーの利用者は極めて多いため、そのリスクを知っておく必要があるとThaker君は述べている。iPodを腕に装着したり、シャツのポケットに入れたりする人が多く、iPodがペースメーカーに近づきすぎる状況も極めて多くみられるという。Thaker君の父親は電気生理学者、母親は医師で、本人も医学部を目指している。
米マサチューセッツ総合病院の心臓電気生理学者Edwin Kevin Heist博士も、iPodがペースメーカーに影響を及ぼし、意識消失などの重篤な反応をもたらす可能性があると認めている。Heist氏によれば、携帯電話やiPodはペースメーカーに近づけなければ安全に使用できるという。また、iPodが埋め込み型除細動器(ICD)に障害をもたらす可能性もあり、不適正な電気ショックが生じて患者に強い痛みと衝撃を与えることもあるとHeist氏は指摘している。(HealthDay News 5月10日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=604482
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