1歳になっても名前の呼びかけに反応しない乳児は、自閉症スペクトラム(連続体)障害(※症状が多彩で健常者と患者の間にはっきりとした境がないためにこのように呼ぶ)のリスクが高く、また自閉症を早期に発見することが早期治療につながりよい結果をもたらすことが、米国の複数の研究で明らかになった。米国疾病予防対策センター(CDC)の最新の発表によると、米国の8歳児の150人に1人が自閉症スペクトラム障害だが、有病率は以前より上昇している。
自閉症の原因は、これまでの研究で遺伝的要因の強い関与が指摘されているが、依然として謎が残されている。自閉症児や自閉症者は、社会的スキルや言語能力に問題があり、反復行動を見せることが多い。しかし、親の半数が1歳までに発達過程での問題を報告しているにもかかわらず、3~4歳時まで診断が下されることはない。今回の研究結果は、早期診断の助けになりそうだ。
米医学誌「Archives of Pediatrics & Adolescent Medicine」4月号(自閉症研究特集)に掲載された、米カリフォルニア大学デイビス校M.I.N.D.研究所の研究では、名前の呼びかけに無反応な1歳児は、2歳までに自閉症などの発達障害を発症する傾向が高いことを明らかにしている。ニューヨーク市の擁護団体「Autism Speaks」のAndy Shih氏は「無反応がすなわち自閉症とはいえないが、言語発達やアイコンタクト、頭囲と同様に、一般医にとっての簡易な診断ツールになりうる」と述べている。
一方、米バンダービルト大学(テネシー州)の研究では、自閉症児の弟妹は、正常な児の弟妹に比較して、社会性やコミュニケーションの発達テスト結果が下回ることが明らかになった。研究者は、このような障害が、自閉症スペクトラム障害の早期指標になるとしている。Shin氏は「この研究結果は、自閉症児の弟妹の発達面に注意する必要性のあることを示しており、早期治療のチャンスが広がる」と述べている。
さらに、米ハーバード大学(マサチューセッツ州)が行った共同調査では、自閉症による社会負担が、1人につき生涯で320万ドル(約3.8億円)となり、その大半が生産性の損失と成人のデイケアが占めることが明らかになった。研究者は、自閉症の年間費用が直接・間接費を併せて毎年350億ドル(約4兆2,000億円)超であることは知られているが、この費用が生涯のどの時点で発生するかは不明であると述べている。(HealthDay News 4月3日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=603344
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