旭合同(株)(本社京都府京都市、塩野忠雄社長)が4月から供給する「シニュリンPF」の引き合いが増加している。同素材は、インドネシア産のシナモンを原料とした赤茶色の粉末で、近年メタボリック対応素材として注目を集めている。同社では、来年度からスタートする特定検診をにらみ、健康食品用途での同素材の本格供給に注力する。
同素材は、身近な食に利用されるシナモンを水抽出し、濃縮、乾燥を経て製造された粉末状のシナモンエキス。シナモンは、カレーをはじめとするインド料理や中華、西洋パイなどのお菓子類に使われるなど、なじみのある素材。一方で古代エジプト時代には、ミイラの防腐剤に使用された、という説があるように抗菌作用があることでも知られる。
近年ではメタボ対応素材としての臨床データも続々と発表されている。2003年にはシナモンを摂取したⅡ型糖尿病患者の血糖値、中性脂肪、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が減少した、との発表がなされ注目を集めた。また、昨年米学術誌で発表されたメタボリック症候群に関する臨床試験では、22名のメタボ予備軍に1日500mgの“シニュリンPF”もしくは偽薬を12週間投与し、空腹時血糖値、収縮期血圧、除脂肪体重の変化をそれぞれ測定。いずれの場合でも有意差が認められる結果を得ている。
さまざまな機能性を持つとされるシナモンだが、欧州食品安全機関(EFSA)やドイツ連邦リスクアセスメント研究所で耐用1日摂取量(TDI)が0.1mg/体重kgと設定される“クマリン”などが含まれるなどの理由で大量摂取や長期摂取に対するリスクが指摘されている側面もある。そういった問題点を抽出技法等で解決しているのが“シニュリンPF”。米農務省(USDA)の研究者の協力のもと、いくつもの臨床試験も実施されており、急性毒性や変異原性試験などにより安全性も確認されている。
海外を中心に積極的に研究が続けられている同素材は、今後もさらなる機能性の発見に期待が寄せられる。現状ではサンプル段階での引き合いが中心だが、同社では「メタボ検診」のスタートをにらみ、その機能性をアピールしながら、来年にかけ供給拡大に力を入れる。打錠、カプセル、など用途は幅広く、米国ではドリンクとしても流通している。食材としてなじみのある素材だけに低カロリー食品や一般食品への付加価値を与える用途での利用も考えられ、健食の「新素材」としての浸透が期待される。
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