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ウイルス対策をうたったマスク−表示はどこまであてになるの?


[2009/11/25]

ウイルス対策をうたったマスク−表示はどこまであてになるの?−

新型インフルエンザの流行によりマスクの需要が増加しているが、最近では「ウイルス99%カット」など、ウイルス対策をうたった商品が多く見受けられる。

国内におけるマスクの公的な認証や基準としては、作業現場等で発生する粉じんの吸入を防ぐための防じんマスクに関するもののみであり、風邪をひいた時や花粉対策として使用されるマスクには公的な認証や基準はない。そのため、一般に販売されているマスクには、高いフィルターの捕集効率をうたった表示が氾濫しており、消費者はどの商品を選択してよいのかの判断が難しい状況にある。また、高いウイルス捕集効率をうたう商品もあるが、本当に表示どおりの性能が得られているのか疑問が持たれる。

PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、マスクに関する相談が2004年度からの約5年間に771件寄せられており、そのうち、「新型インフルエンザ対策用の規格相当と表示したマスクを購入したが届いたのはありふれた不織布マスクだった。」など、品質や機能に関する相談が205件あった。

そこで、ウイルス対策をうたったマスク15銘柄(プリーツ型9銘柄、立体型6銘柄)を対象に、マスクのフィルター部の性能や着用時にできる顔とマスクの隙間から空気がどの程度漏れるのか等を調べ、消費者に情報提供することとした。

主なテスト結果等
1.フィルターの捕集効率

*ウイルス対策をうたっているにもかかわらず、フィルターの捕集効率が低いものがあった。さらに、N95マスクの基準を満たしていると受け取れる表記があっても、捕集効率が80%以下のものが3銘柄あり、消費者が誤認するおそれがあった。

2.着用時の顔とマスクの間からの空気の漏れ

*すべての銘柄で平均漏れ率が40%以上であった。また、フィルターの捕集効率が高いものでも、顔との隙間からの漏れがあるため、ウイルス等の微粒子を完全に遮断することはできない。

3.使用感

*どの銘柄も鼻の辺りは半数以上の人が隙間があると回答した。また、プリーツ型ではさらに頬の部分にもできやすかった。
*漏れ率が小さいものは、息苦しい。

4.表示

*全ての銘柄でウイルス対策をうたっていたが、フィルターの捕集効率が低いものがあった。また、全ての銘柄で隙間からの漏れがありウイルス等の微粒子を完全には遮断できないと考えられるため、消費者にマスクの効果を過信させるおそれがあった。
*「99.9%」など捕集効率と思われる表記が目立つように記載されていたが、捕集対象はウイルス、ウイルス飛沫、バクテリアなど粒子の大きさが異なるものであった。
*3銘柄でN95マスクの基準を満たしているかのような表記があったにもかかわらず、捕集効率が80%以下と低かった。また、1銘柄でインターネット上の広告にあった「N95規格相当」の表示がパッケージにはなかった。
*15銘柄中6銘柄で着用方法に関する表示がなかった。

5.価格

*1枚当たりの価格の安い銘柄でフィルターの捕集効率が低いものがみられたが、価格が高いものであれば性能がいいというわけではなかった。



消費者へのアドバイス

*症状がある人は咳やくしゃみによる飛沫の飛散を防ぐために積極的にマスクを着用するようにしよう(咳エチケット)。一方で、ウイルス対策をうたっていても、フィルターの捕集効率には差があることや、実際に着用した場合にも顔とマスクとの間には隙間ができることから、マスクをすることによってインフルエンザなどの感染を完全に予防することはできないと考えられるので、マスクの効果を過信しないように。
*できるだけマスクと顔の間に隙間なく着用できるように、価格よりも自分の顔のサイズ、形に合ったものを選ぶことは重要である。
*表示されている捕集効率は、捕集対象等が必ずしも同じではないので、数値をみても商品の性能を比較する目安にはならない。



業界への要望

*フィルターの捕集効率が80%以下であるにもかかわらず、3銘柄でN95マスクの基準を満たしていると受け取れる表記があり、消費者が誤認するおそれがあったので、表示の改善を要望する。
*過度に効果を期待させるような表示をしないように、また正しい着用方法を記載するなど、表示に関する基準作りを要望する。
*マスクの効果が発揮できるよう、隙間からの漏れが少なく、また使用性のよい商品作りを要望する。



行政への要望

*フィルターの捕集効率が低いにもかかわらず、3銘柄でN95マスクの基準を満たしていると受け取れる表記があり、景品表示法上問題があるおそれがあるため、監視・指導の徹底を要望する。
*過度に効果を期待させるような表示をしないように、また正しい着用方法を記載するなど、表示に関する基準作りをするよう業界への指導を要望する。



要望先

消費者庁 消費者情報課 地方協力室
社団法人日本衛生材料工業連合会


情報提供先

社団法人日本通信販売協会


本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

http://www.kokusen.go.jp/test/data/s_test/n-20091118_1.html

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