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心停止に対する低体温療法プログラムへの取り組みにより転帰が改善


[2011/07/19]
心停止に対する低体温療法プログラムへの取り組みにより転帰が改善

心停止患者を冷却することで、永続的な神経障害リスクを低減できることが知られているが、この救命をもたらす治療法は一般的にまだ十分活用されていないことが、新しい研究で示された。米国では毎年30万件の心停止が院外で発生し、ほとんどが致死性となっている。

多くの地方病院では適切なシステムが整っておらず、この冷却療法(低体温療法)を有効なものにするためには、心停止後数時間以内に治療を開始しなければならないが、適切な施設に迅速に搬送すれば救命および永続的な神経障害の回避が可能になる。低体温療法では中核体温を華氏約92度(約33.3℃)に低下させ、24時間維持した後、8時間かけて再加温を行う。冷却することで、身体や脳が必要とする酸素量が少なくなると考えられている。

米アボット・ノースウェスタンAbbott Northwestern病院ミネアポリス心臓研究所(ミネソタ州)のBarbara Unger氏らが考案した今回のシステムは、適切なシステムの整った施設への患者の搬送を“迅速かつ調整して”行うというもの。このシステムには、最初に対応する救急医療サービス(EMS)部門および同病院のあるミネアポリスから200マイル(約320km)以内の30施設以上が関与する。

心停止後に低体温療法を受けた140例のうち107例はさらなる治療のためアボット・ノースウェスタン病院に移送され、残りは同病院に直ちに搬送された。全体的には冷却された患者の56%が生存した。移送された患者と同病院で最初の治療を受けた患者の生存率は同じであった。冷却開始が1時間遅れるごとに死亡リスクは20%増大した。

生存者の92%では重度の神経障害の徴候を認めず、新システム使用以前に治療を受けた同様の患者では77%であった。患者の平均年齢は62歳で、77%が男性であった。神経障害リスクは高齢者のほうが高かった。また、低体温療法を受けた全患者の約半数がST上昇型心筋梗塞の治療を受けていた。Unger氏は「大規模な施設の近くで心停止を起こすとは限らないが、このプログラムの実施は難しくない。ST上昇型心筋梗塞などの症例では、広い領域の専門医のいる大規模第三次センターに搬送する必要がある」と述べている。

米ペンシルベニア大学メディカルセンター(フィラデルフィア)のBenjamin Abella氏は、「低体温療法は複雑かつ複合した訓練を要する治療形態であり、プロトコルを要する。大きな課題の1つは、心臓病専門医や神経科医、救急治療室の医師、救命救急看護師などの協力が必要なことである。実現可能な選択肢の1つは患者を地域病院へ搬送することであり、今回の研究は非常に機能的なシステムの良い例である」という。研究結果は、医学誌「Circulation(循環)」オンライン版に7月11日掲載された。(HealthDay News 7月11日)

http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=654742
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