女性の描いた自画像が摂食障害の診断に有用である可能性が、新しい研究によって示唆された。無食欲症(anorexia)あるいは大食症(bulimia)の女性が描く自画像は、摂食障害のない女性のものと異なる特徴を持つという。
イスラエル、ハイファHaifa大学のRachel Lev-Wiesel氏らによる今回の研究は、無食欲症または大食症の女性36例、摂食障害のない女性40例を対象としたもの。被験者の半数は過体重、半数は正常体重であった。被験者に自画像を描いてもらった結果、4つの領域においていくつかの群間差がみられた:
・無食欲症または大食症の女性は自分の首をより太く描くか、首を途中までしか描かない、もしくは首を描かない傾向があった。
・無食欲症または大食症の女性のほうが口を強調した。
・摂食障害の女性は大腿部をより太く描くことが多かった。
・無食欲症または大食症の女性の自画像は足を描かない、もしくは足を途中までしか描かない傾向があった。
また、無食欲症の女性は大食症の女性に比べて、自画像に胸部を描かず、ボディラインがより不明瞭であり、用紙の大きさに対して小さな絵を描く傾向が強かった。Lev-Wiesel氏は「摂食障害の女性は通常、専門のセラピストに対してさえも異常な状態を隠しがちである。自画像を描いてもらうなどの言葉を用いず、かつ押し付けがましくない手段は創造的な絵画(芸術)療法の重要なツールになりうる」と述べている。研究結果は、医学誌「Arts in Psychotherapy(精神療法におけるアート)」に掲載された。(HealthDay News 2月16日)
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