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寄生虫療法が潰瘍性大腸炎に有望


[2010/12/13]
寄生虫療法が潰瘍性大腸炎に有望

潰瘍性大腸炎の治療のために寄生虫卵を飲み込み、実際に改善効果をもたらした男性の実例から、腸管を癒す“虫療法(worm therapy)”が注目されている。

米ニューヨーク大学ランゴンLangoneメディカルセンター医学寄生虫学助教授のP'ng Loke氏は、「この症例報告における我々の知見は、ヒト鞭虫(Trichuris trichiura:腸管に寄生する線虫の一属)の卵の寄生によって潰瘍性大腸炎の症状を軽減できることを示唆している」と述べている。ヒト鞭虫は大腸に寄生するが、同氏らは今回、重度の大腸炎を有する35歳男性で寄生虫療法の追跡調査を行った。

男性は大腸全摘を避けるため寄生虫(鞭虫)療法を試みた。寄生虫卵投与に同意したタイの医師を訪れ、寄生虫卵1,500個を摂取した。男性は自己治療後、Loke氏に接触し、「基本的に症状はなくなった」と述べた。Loke氏らは、寄生虫卵摂取前の2003年から摂取2〜3年後の2009年までの血液と大腸組織のスライドおよび検体を分析。ほぼ3年で症状は実質的に消失し、2008年に大腸炎が再燃した際は、さらに2,000個の寄生虫卵を摂取し、再度改善したという。

研究の結果、活動性大腸炎の時期に採取した組織では、炎症性蛋白(たんぱく)のインターロイキン-17(IL-17)を産生するCD4陽性T細胞が多数みられたが、寄生虫療法後は創傷治癒を促す蛋白のインターロイキン22(IL-22)を産生するT細胞が多かった。また、寄生虫療法後、大腸では有意に多くの粘液産生がみられた。

Loke氏は「大腸内の粘液不足は重度の症状と関係している。寄生虫が大腸内の粘液産生を増加または回復させたと思われる。だだし、現時点では寄生虫療法は十分に解明されておらず、期待はずれに終わる可能性もある。問題は、これら寄生虫自体が、腸管に有害となり、人によっては炎症を悪化させる可能性があること。ヒトへのリスクがより少ないブタ寄生虫を用いた研究が進行中である」と述べている。研究結果は、医学誌「Science Translational Medicine(サイエンス・トランスレーショナル医療)」12月1日号に掲載された。

米ルイビルLouisville大学(ケンタッキー州)消化器病学・肝臓学・栄養学臨床研究部門責任者のGerald W. Dryden Jr.博士は、「因果関係は不明だが、今回の研究は、これまで知られていなかったIL-22と鞭虫療法に対する反応との重要な関連性を示している」と述べている。(HealthDay News 12月1日)

http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=646763
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