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マウスの研究でベータアミロイド蛋白が腹部内腔から脳内に移動


[2010/11/01]
マウスの研究でベータアミロイド蛋白が腹部内腔から脳内に移動

折りたたみ構造の異常なβ(ベータ)アミロイド蛋白(たんぱく)を含む組織が脳の外部から移動して、脳に“感染する”可能性のあることが、マウスでの研究で示された。βアミロイドプラーク(凝集体)はアルツハイマー病患者の脳に混乱をもたらせるもので、この神経変性疾患の形成に強く関わっている。

ドイツ、チュービンゲン大学のMathias Jucker氏は、スイスおよび米エモリー大学(アトランタ)の科学者らと共同研究を実施。高齢マウスから採取したアミロイドを含む脳組織を2カ月齢の雌マウスの腹部に2回注射した結果、7カ月後に、若齢マウスの脳内にアミロイドのエビデンス(存在)が認められた。

同氏らは、アミロイド蛋白がプリオン様の特性を持つ可能性を示唆している。プリオンは主に蛋白質からできており、伝染してクロイツフェルト・ヤーコブ病(狂牛病)などの脳疾患を引き起こす可能性がある。ただし、今回の研究の重要な問題点として、若齢のマウスに注入した脳組織に含まれていた内容が正確に示されていないことが指摘されている。

アルツハイマー病協会(AA)のWilliam Thies氏は「この実験結果により、多くの人が、アルツハイマー病が “感染性”の疾患であると心配することになれば非常に残念である。そのエビデンス(科学的根拠)は全くない。使用された脳物質の中にはアミロイド蛋白以外にあらゆる種類のものが含まれている」と述べている

米ロチェスター大学メディカルセンター(ニューヨーク州)のAnton Porsteinsson博士は「“科学的には興味深い”が、“現実”にはまだ程遠い。アルツハイマー病患者が多くのβアミロイドを排出または伝播させることにより、間接的に他人に感染させるといったエビデンスはない。問題のあるβアミロイドを体内に取り入れる手段も不明である。しかし、この知見はインターベンション(介入)という意味合いで新たな議論の場を提供する可能性がある」と述べ、今回用いられた特定のマウスモデルがβアミロイドを産生するように遺伝子操作されていた点を指摘している。

米テキサスA&M健康科学センター医学部(カレッジステーション)のIan Murray氏は、「今回の研究は、アミロイドを含む脳組織を腹部臓器のある内腔に注入し、それが脳内に侵入したという事実において新しい」と述べている。研究結果は、米科学誌「Science(サイエンス)」10月22日号に掲載された。(HealthDay News 10月21日)

http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=644781
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