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アンジオテンシン受容体拮抗薬により癌(がん)リスクがわずかに上昇


[2010/06/21]
アンジオテンシン受容体拮抗薬により癌(がん)リスクがわずかに上昇

高血圧や心不全の治療に広く用いられているアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の使用により、癌(がん)リスクがわずかに高まることが、新しい研究によって示された。ARBには、テルミサルタン(商品名:ミカルディス)やロサルタン(ニューロタン)、バルサルタン(ディオバン)、カンデサルタン(ブロプレス)などが含まれる。

米ケース・ウェスタン・リザーブCase Western Reserve大学(クリーブランド)内科助教授のIlke Sipahi博士らは今回、全体で22万3,000人以上の患者を含む複数の研究を検討。癌を事前に評価項目として特定していた(pre-specified endpoint)6万人以上の患者を含む、5件の研究に絞った結果、ARBに割り付けられた患者群ではそうでない患者群に比べて、癌が約10%増加していたという。

分析によると、ARB投与群における癌の発症率は7.2%であったが、プラセボ群では6%であった。固形腫瘍の増加は肺癌に集中し、ARB群ではその発症率が25%高かった。リスクは上昇しても、ARB群での癌による死亡の増加はわずかであり、ARB群1.8%、プラセボ群1.6%と統計学的な有意差はみられなかった。被験者の85.7%はテルミサルタンを服用し、それ以外はロサルタン、バルサルタン、カンデサルタンなどを服用していた。

ARBは血圧調節に重要な役割を果たすホルモンであるアンジオテンシンII細胞受容体を阻害して作用する。Sipahi氏は「動物試験では、アンジオテンシン受容体の阻害が腫瘍の血管新生を促し、腫瘍の増殖を刺激する可能性が示されている。ただし、ARBが癌の増殖において実際的な役割を果たしているというエビデンス(科学的根拠)はまだ明らかではなく、これらの知見は因果関係ではなく関連性を示しているにすぎない。結論を出す前にさらなる分析が必要である」と述べている。

アンジオテンシン系と膵癌の研究を行っている米トマス・ジェファーソン大学(フィラデルフィア)のHwyda Arafat博士は「動物モデルでは、ARBが癌の増殖を妨げるいくつかのエビデンスがあるが、ARB治療が癌の増殖を促す可能性もあり、現在、この種の研究が必要とされている」と述べている。研究結果は、医学誌「Lancet Oncology(腫瘍学)」オンライン版に6月14日掲載された。(HealthDay News 6月13日)

http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=640070
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