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COPD治療における吸入ステロイド薬を過大評価


[2010/02/16]
COPD治療における吸入ステロイド薬を過大評価

慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者は、疾患の増悪を軽減するために吸入コルチコステロイドを投与されることが多いが、その有益性はごく限られている可能性が、新しい研究によって示された。同薬はCOPDの対症療法に役立てるため広く処方されているが、肺炎のリスク増大とも関連しているという。

COPDは徐々に肺を破壊する不治の疾患であり、治療法はないが、サルメテロール(商品名:セレベント)などの長時間作用型β刺激薬や短時間作用型β刺激薬、抗コリン薬など、さまざまな薬剤が対症療法に有用である。

医学誌「Chest(胸部)」2月号に掲載された今回の研究で、インド、医学教育・研究大学院(PGIMER、チャンディガル)呼吸器内科のRitesh Agarwal博士らは、COPD患者約8,164人を対象に吸入コルチコステロイドとプラセボを比較した11件の研究を検討した。

研究の結果、これらの薬剤は増悪数の低減にある程度の効果しかないことが判明した。実はこのわずかな有益性でさえ、肺機能を50%以上失っている患者に限られていた。また、データをさらに分析した結果、50%の肺機能でも吸入コルチコステロイドは増悪数を低減できる予測因子ではなかった。これらの知見から、Agarwal氏らは「COPD増悪予防における吸入コルチコステロイドの役割については再評価が必要である」としている。

米ジョンズ・ホプキンス大学(ボルティモア)医学部助教授のSonal Singh博士は「今回の研究は重要であり、長時間作用型β刺激薬に吸入ステロイドを追加する有益性は、肺炎リスクが有意であることに比べればごくわずかに過ぎない。同薬の規制上の安全性の再評価が必要である」と述べている。

しかし、米マウントサイナイMount Sinaiメディカルセンター(ニューヨーク)呼吸器内科教授のNeil Schachter博士は「吸入コルチコステロイドをあきらめるのは時期尚早。コルチコステロイドを含む複数の薬物療法を行っているCOPD患者の増悪速度は改善していると思われる」と述べ、自身の患者の多くは吸入コルチコステロイド、長時間作用型β刺激薬、抗コリン薬を併用し、より良い状態である印象があるという。(HealthDay News 2月4日)

http://www.healthday.com/Article.asp?AID=635678

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