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レシピエントの腕に埋め込んだドナーの気管が血管新生−移植後の免疫療法が不要に


[2010/01/26]

レシピエントの腕に埋め込んだドナーの気管が血管新生−移植後の免疫療法が不要に

ドナーの気管を、移植前の最初の数カ月間、レシピエントの腕に埋め込むことによって、気管が自身の血管網を成長させた初めての症例が、ベルギーの移植外科医らによって報告された。この画期的な方法により、レシピエントは健康な機能性のある気管を得るだけでなく、免疫抑制薬を一生服用する必要もなくなるという。

医学誌「New England Journal of Medicine」1月14日号に掲載された今回の研究は、25年前、自動車事故後に実施した緊急気管切開術中に、重度に気管を損傷した55歳の女性が対象。患者は、留置した気管ステントによってのみ呼吸することができたが、ステントにより持続的な咳(せき)が生じ、気管支炎や肺炎などの感染症にかかりやすくなっていた。

ベルギー、ルーベン大学病院耳鼻咽喉学教授のPierre Delaere博士らは、患者の左前腕の皮下に3.5インチ(約9cm)長の一種のポケットを作製し、同じ血液型の死亡男性から採取した気管を埋め込んだ。気管は患者の前腕で4カ月間 “生存した”。この期間中は標準的な免疫抑制薬を投与した。

免疫抑制薬の投与を中止すれば、患者の免疫系が提供されたドナーの気管の柔らかい粘膜(内部)組織を攻撃・破壊することがわかっていたため、同氏らは1カ月目にレシピエントの口腔粘膜層をドナーの気管に移植。免疫抑制薬投与を中止するとドナーの粘膜組織は予想どおり徐々に破壊されたが、患者から移植した口腔組織が増殖し、入れ替わった。4カ月後、レシピエントとドナー両方の細胞でできた気管を新しい血管とともに慎重に摘出し、頸部に移植した。

術後のCT画像では気道は回復し、気道ステントを抜去したため、気管支炎や肺炎のさらなるエピソードはなくなった。1年後、患者は転帰に満足しており、免疫抑制薬は不要であった。Delaere氏は「新しい技法は、このような患者の生活の質(QOL)の改善につながる可能性がある。安全性レベルが高く、免疫抑制療法が不要であるため、この技法が治療の標準となりうる」という。

論説著者である米ハーバード大学(ボストン)医学部Megan Sykes博士は「気管は、栄養を供給する血管がないため簡単に移植できない。気管を前腕の血液や栄養が豊富な環境に置くことで血管新生と呼ばれる過程が生じ、ドナーの気管は必要な血管網を成長させる。この技法は気道再建における大躍進であり、かつて修復不能であった大きな気道欠損を修復する方法となる」と述べている。(HealthDay News 1月13日)

http://www.healthday.com/Article.asp?AID=634927
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