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レトロウイルスが慢性疲労症候群の原因の可能性


[2009/10/20]
レトロウイルスが慢性疲労症候群の原因の可能性

慢性疲労症候群(CFS)患者の約3分の2がXMRVと呼ばれるレトロウイルスに感染していたことが、新しい研究によって示された。

米クリーブランド・クリニック(オハイオ州)ラーナーLerner研究所癌(がん)生物学教授のRobert H. Silverman氏は「今回の研究は、XMRVが慢性疲労症候群の原因であることを証明するものではないが、原因の有力な候補である可能性を示唆している。XMRVが原因であることが証明できれば、疾患の診断、対処、予防は大きく前進する。このウイルスの複製を予防できる抗レトロウイルス薬が存在する可能性がある」と述べている。

慢性疲労症候群は1980年代後半に初めて認められ、当初は “ヤッピーインフルエンザ(yuppie flu)”と呼ばれていた。原因が不明であり、うつ病など他の疾患を除外することによってしか診断できないことから、医学界の一部では、独立した疾患とはみなしていない。世界では推定1%の人がこの疾患を抱えており、その名が示すように強い疲労や関節痛、頭痛、その他のさまざまな症状がみられる。

XMRVは最近、前立腺癌患者や前立腺腫瘍生検標本から検出され、他のレトロウイルスと同様、慢性疲労症候群と関連するエプスタイン-バー(EB)ウイルスなど、体内に潜伏しているウイルスを活性化することができる。

Silverman氏らは今回、慢性疲労症候群患者から採取した101の血液検体を分析。その結果、68検体にXMRVが認められたが、健常者218例では8検体にしか認められなかった(67%対3.7%)。同氏らは、3.7%はごくわずかに思えるが、何百万人もの人が、その影響もまだ不明であるウイルスに感染していることを意味する可能性があるという。

XMRVやHIVなどのレトロウイルスは、DNAではなくRNAからなるゲノムを有している。ウイルスが細胞に感染した際に、RNAがDNA内に転写され、宿主DNA内に組み込まれる。同氏は「レトロウイルス感染の問題の1つは、ウイルス由来のDNAが感染者のDNAの一部になっているため、実際の治療が非常に困難なことである。患者は、複製させないように薬剤を服用し続ける必要がある。ただし、XMRVがHIVよりも単純であることは朗報。さらなる研究が必要だが、抗レトロウイルス薬によって感染と複製を止められる可能性がある」と述べている。

米レノックスヒルLenox Hill病院(ニューヨーク)のTamara Kuittinen博士は「今回の研究は、慢性疲労症候群に原因があり、発症してもおそらく対処法があるという希望をもたらすものである」と述べている。研究結果は、米科学誌「Science」オンライン版に10月8日に掲載された。(HealthDay News 10月8日)

http://www.healthday.com/Article.asp?AID=631769
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