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メトホルミンが糖尿病患者の膵癌(がん)リスクを低下させる


[2009/08/10]

メトホルミンが糖尿病患者の膵癌(がん)リスクを低下させる

2型糖尿病患者に対して最も一般的に用いられている治療薬の一つであるメトホルミンに、膵癌(がん)のリスクを60%低減させる便益のあることが、新しい研究によって示された。しかし同時に、インスリンやスルホニル尿素(SU)薬などのインスリン分泌促進薬による治療によって、糖尿病患者の膵癌リスクが高まることも明らかにされた。

米テキサス大学M.D.アンダーソン癌センター(ヒューストン)消化器内科腫瘍学教授のDonghui Li氏は「膵癌が糖尿病を引き起こす可能性がある一方で、糖尿病患者では膵癌リスクがより高いため、その関連性は非常に複雑である」という。同氏らによる今回の知見は、2004〜2008年に同センターで治療を受けた膵癌患者973人(うち糖尿病患者259人)と非癌患者863人(同109人)の分析に基づくもの。

分析の結果、メトホルミンを投与した糖尿病患者では投与経験のない患者に比べて、膵癌リスクが60%低減していた。リスク低減は、5年以上メトホルミンを使用していた糖尿病患者で特に顕著であった。また、喫煙者、過体重または肥満、血糖管理の問題は、メトホルミンと膵癌リスクの予防的な関連に影響を及ぼしていなかった。

一方、インスリンを使用していた糖尿病患者は非使用患者に比べて、膵癌がほぼ5倍発症しやすく、SU薬やグリニド系薬剤などのインスリン分泌促進薬を使用していた患者は非使用患者に比べて膵癌リスクが2倍以上高かった。

Li氏は「メトホルミンが特に膵癌のリスク低減に影響を及ぼすことは確信している。同薬の使用はすでに一般的に推奨されているため、今回の知見はさらにそれにインセンティブを加えるものである。つまり、メトホルミンは健康に大きな影響を及ぼすとともに、現時点では膵癌と闘う手段がほとんどないためである」と述べている。研究結果は、医学誌「Gastroenterology(消化器病学)」8月号に掲載された。

米国癌協会(ACS、アトランタ)のLen Lichtenfeld博士は、この知見について「研究著者が述べているように、より大規模な集団で検証する必要はあるが、“興味深い”かつ“有意義な”ものである」と述べるとともに、インスリン使用者の膵癌リスクの増大については、これらの患者が過体重や肥満を有し、それ自体が膵癌のリスクファクター(危険因子)である点を指摘している。(HealthDay News 8月2日)

http://www.healthday.com/Article.asp?AID=629542
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