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旅行者下痢症のワクチン開発につながる発見


[2009/06/26]

旅行者下痢症のワクチン開発につながる発見

「モンテスマの復讐(Montezuma's revenge:下痢の俗語。モンテスマはアステカ帝国最後の皇帝)」とも呼ばれる旅行者下痢症によって休暇が台無しになることがある。原因菌である腸毒性大腸菌(enterotoxigenic Escherichia coli:ETEC)がこの問題を起こす仕組みが、新しい研究によって明らかにされた。

米ボストン大学医学部生理学・生物物理学部准教授のEsther Bullitt氏らは、ETECは表面の“ピリ線毛(pili)”または“線毛(fimbriae)”を用いて宿主の腸管上皮に付着または結合し、腸内のETEC感染発症に必要なこれらの線維が細菌表面の孔を通って細菌から出ていくと説明している。

線維内の蛋白(たんぱく)の詳細な原子的分解能(atomic resolution)と、異なる臨床株の遺伝的多様性の分析とを組み合わせた結果、それぞれの菌株は、線維内に埋もれた蛋白成分を保護しながら、異なる主要表面蛋白を示すことが判明した。Bullitt氏は「このため、1回の感染エピソード時に産生されたETECに対する抗体は、後で生じた他の菌株の感染を防御しないことが多い」と述べている。

交差予防効果のあるワクチンの開発には、この隠れた蛋白を抗原として利用することに焦点を当てた戦略が必要である。同氏らは「今回の発見は、ワクチン開発に役立つ研究に影響を及ぼす」という。研究結果は、米国科学アカデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」6月10日号に掲載された。

世界保健機関(WHO)によれば、ETECは発展途上国における市中感染型乳幼児下痢症の最大の原因であり、旅行者下痢症の最も一般的な原因である。動物やヒトの糞便で汚染された食物や水を介して感染し、多量の水様性下痢や腹部痙攣を引き起こすことがある。感染の1〜3日後に発現し、通常3〜4日間持続するが、生命を脅かすことはまれである。(HealthDay News 6月10日)

http://www.healthday.com/Article.asp?AID=627851
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