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関節リウマチ薬が豚インフルエンザに有効な可能性


[2009/06/09]
関節リウマチ薬が豚インフルエンザに有効な可能性

科学者らは、免疫系に影響を及ぼす薬剤がインフルエンザに対する有望なツールとなる可能性を模索してきたが、この概念がマウスにおいて具現化されたことが、新しい研究によって示された。

米メリーランド大学(ボルチモア)医学部教授のDonna Farber氏は、ブリストル・マイヤー スクイブ社と米国立衛生研究所(NIH)の資金援助を受けて今回の研究を実施。同氏らは、A型インフルエンザウイルスH1N1株(豚インフルエンザと同じ“サブタイプ”)に反応するようにプログラムされたメモリーT細胞をマウスに注射した後、亜致死量または致死量の実際のウイルスに感染させた。

感染開始時、マウスの体調不良が認められる前に、関節リウマチ薬(生物学的製剤)abataceptアバタセプト(商品名:Orencia、日本国内未承認・申請中)を半数に投与した。研究の結果、abatacept投与群の生存率は80%であったが、対照群では50%に過ぎなかった。また、abatacept投与群のほうがウイルス排除が早く、体調不良も少なく回復も早かった。この薬剤はメモリーT細胞の免疫応答も抑制した。

abataceptは基本的に、感染と戦うメモリーT細胞に最初の感染を撃退させ、疾患の悪化や死にもつながる過剰免疫応答は予防する。Farber氏は「豚インフルエンザでは実際にこの種の過剰免疫応答の徴候がみられる。メモリーT細胞は侵入したウイルスを撃退するが、過剰免疫応答の一因にもなる。多くのインフルエンザ、特に流行性のウイルスの場合、体調不良や肺炎の真の原因は免疫応答である」と述べている。

同氏は「abataceptはウイルスを駆逐できなくなるほどではないが、免疫応答を抑制する。abataceptや同様の薬剤はウイルスではなく免疫系を標的とするため、異なるインフルエンザウイルス株に対して有効だが、年1回のワクチンは特定のウイルス株にしか有効でない」という。別の専門家は「季節性インフルエンザ感染者におけるabataceptの安全性を確立するにはさらに多くの研究が必要である」としている。研究結果は、米医学誌「The Journal of Immunology(免疫学)」6月1日号に掲載された。(HealthDay News 5月29日)

http://www.healthday.com/Article.asp?AID=627450
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