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インフルエンザワクチンの製造期間を短縮する新しい方法


[2009/05/25]

インフルエンザワクチンの製造期間を短縮する新しい方法

ウイルス様粒子(virus-like particle: VLP)を用いたワクチンは、従来のワクチンに比べて、インフルエンザウイルスに対する予防効果がより強く、長く持続する可能性のあることが新しい研究によって示され、米フィラデルフィアで開かれた第109回米国微生物学会(ASM)で報告された。また、細胞培養や植物で増殖させるVLPワクチンは、従来のワクチンの2倍の速度で開発・生産(製造)することができるという。

米ピッツバーグ大学ワクチン研究センター(ペンシルベニア州)助教授のTed Ross氏は「初期の臨床試験では、VLPワクチンは、H5N1型鳥(avian)インフルエンザウイルスと1918年のスペインインフルエンザウイルスの両方に完全な予防作用を示した」という。新しいワクチン戦略を用いることで、公衆衛生当局はインフルエンザの流行に、より迅速に対応できる可能性が期待される。

Ross氏は「最近のH1N1型豚(swine)インフルエンザウイルスのシークエンス(塩基配列)はオンラインで公開されており、科学者は実物のサンプルが届く前にそれを入手できる。従来のワクチンはウイルスのサンプルを必要とし、生産に約9カ月を要するが、VLPは12週間ほどで大量生産できる。サンプルがなくても、ウイルスの遺伝子が特定されればワクチンの粒子を産生することができる」という。

季節性(seasonal)インフルエンザ予防に現在使用されている注射ワクチンは、3つのインフルエンザウイルス株を用いており、鶏卵で増殖させてから、ウイルスを破壊する化学物質を用いて不活化したもの。ただし、その断片はもはや血中のウイルスとは似ていないため、VLPほど免疫応答が強くない。

Ross氏は「ウイルス様粒子は一見、生ウイルス(live virus)のようにみえるが、ゲノムを中に持たない中空シェルとなっており複製できない。ウイルスに類似しているため、実物に対してより強い免疫応答を引き起こす」という。吸入、噴霧型インフルエンザワクチンも強い免疫応答を誘導するが、弱毒化生ウイルスを用いるため、副作用のリスクが増大する。ただし、ワクチン接種の対象者や使用するインフルエンザウイルス株については依然として意見の相違がみられる。(HealthDay News 5月18日)

http://www.healthday.com/Article.asp?AID=627173
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