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自閉症の遺伝子をもつサルの開発に成功


[2016/02/01]
自閉症の遺伝子をもつサルの開発に成功

中国の科学者らが、自閉症様の行動に関連する遺伝子を保有するサルの作製に成功したと報告し、研究論文が「Nature」オンライン版に1月25日掲載された。研究共著者の1人である中国科学院神経科学研究所(上海)のZilong Qiu氏は、この遺伝子改変(transgenic)サルは、ヒトの自閉症を研究する他にないモデルとなると述べている。 現在、ヒトの遺伝子疾患モデルとしてマウスが広く使用されているが、ヒト自閉症の複雑な症状を再現するには限界があり、さらに優れた動物モデルの開発が望まれている。今回の知見により「自閉症の徴候や症状の生物学的・遺伝的基礎を理解する優れたツールに一歩近づいた」と、米国の支援団体「Autism Speaks」(ボストン)のDaniel Smith氏は話す。

自閉症スペクトラム障害は、反復運動などの症状や社会的交流の困難がみられる脳発達障害だ。今回の研究では、MECP2と呼ばれるヒト遺伝子を過剰発現させたサルを作製した。ヒトでは、MECP2が多いと、自閉症と共通する症状のみられるMECP2重複症候群と呼ばれる疾患を発症する。

研究チームはマカクザルの卵子にMECP2を保有するウイルスを注入し、受精させて得た胚を代理母となるサルに移植して、8頭の仔を得た。

いずれの仔もMECP2を保有しており、知能は概ね正常であったが、行動面では通常のサルに比べ毛づくろいなどの社会的関わりが少なく、繰り返し円を描いて動き回る様子がみられた。また、人間と向き合うと強い不安を呈したという。研究グループはさらに、この遺伝子が次世代にも受け継がれることを明らかにした。1頭の雄の遺伝子改変サルから生まれた5頭の仔がMECP2を保有し、その仔らは同年代の野生のサルに比べ社会性が低かった。

MECP2は、自閉症患者の知能や認知機能に影響を及ぼす脳経路を明らかにするのに有用と思われるが、完全ではなく、例えばMECP2重複症候群の主要な特徴であるてんかん発作が遺伝子改変サルにはみられないとSmith氏は指摘する。研究チームは現在、脳画像を用いて自閉症様行動の原因となる脳回路の特定に取り組んでおり、標的が特定できれば、強力な遺伝子編集ツールを用いて治療の可能性を探究するとQiu氏は述べている。

同研究所のMu-ming Poo氏は、研究用のサルの飼育にはマウスよりも高額な費用がかかると認めている。また、マウスよりもヒトに近い霊長類モデルの利用には倫理的問題もつきまとう。Poo氏は、動物の扱いについて米国立衛生研究所(NIH)のプロトコルと同一の手順に従ったと述べている。NIHは2001年より霊長類の遺伝子改変モデルの開発を支援しているとのこと。(HealthDay News 2016年1月25日)

http://consumer.healthday.com/health-technology-information-18/research-and-development-health-news-578/gene-modified-monkeys-might-aid-autism-research-707352.html
Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
論文アブストラクト:
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature16533.html

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