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日本食品免疫学会が第1回学術大会を開催


[2005/11/14]

日本食品免疫学会は19〜10日、「日本食品免疫学会2005年度大会」を、東京・昭和女子大学で開催した。テーマは「食品科学と免疫学の融合をめざして」。 初日には、基調講演として学会会長であり、日本大学生物資源科学部食品科学工学科の上野川修一氏が「食品の免疫機能研究の展望」を講演した。同氏は、免疫機能を低下させる要因として、加齢や蛋白質など栄養成分の欠乏などを挙げた。逆に、マウスとラットの実験では、カロリー制限を加えた方が免疫機能が働くと説明。また、ヒト試験の結果、食品の免疫賦活作用がある成分として、乳酸菌、ビタミンA、ビタミンE、亜鉛、カロチン、ビタミンC、ビタミンP、 DHA、EPA、セレンなどを挙げ、特にヒト試験の報告件数は乳酸菌が多いと述べた。 抗感染・抗アレルギーについての動物試験で実績があった食品素材には、オリーブ、カテキン、キトサン、クロム、グルコサミンなどを挙げた。ヒトにおいて抗感染、抗アレルギー作用が認められたものとしては、プロバイオティクス(ラクトバチルス菌、ビフィズス菌)、プレバイオティクス(オリゴ糖、ヌクレオチド)、ビタミンA、ビタミンC、セレン、亜鉛、アミノ酸その他を挙げた。そしてプロバイオティクスとは(1)腸内菌叢に良い影響を与え、(2)腸内感染を防ぐ菌である乳酸菌、納豆菌だとし、動物実験でもヒト試験でも腸管免疫のIgA産生を上げたという。 腸内免疫については、経口免疫寛容のシステムを解説。また、腸管免疫系との相互作用、食事・年齢・ストレス、細胞間相互作用によって腸内フローラが形成されていることを説明した。腸管細菌の役割としては、(1)腸管免疫組織の形成、(2)IgA産生の誘導、(3)経口免疫寛容の誘導、(4)炎症反応の沈静、(5)病原細菌の抑制を挙げた。 まとめとしては、腸管の免疫と全身免疫系の関連の確立が非常に重要であり、免疫系の健全性維持が健康寿命の延伸につながると締めくくった。 2日目は「免疫機能食品の開発」をテーマに、シンポジウムを行った。カルピス(株)健康・機能性食品開発研究所は、「L-92乳酸菌の抗アレルギー作用」を講演。「L-92乳酸菌」はラクトバチルス・アシドフィラスL-92株のことで、乳酸菌の抗原特異的IgE抑制作用があることを評価し、治験を行った。花粉症の自覚があるスギ花粉抗体陽性23名に「L-92乳酸菌飲料」かプラセボを6週間飲用してもらったところ、Th1細胞とTh2細胞に有意差が認められなかったにも関わらず、「L-92乳酸菌飲料」飲料者の目のメディテーションスコアに優位差が認められ、医薬品の使用頻度も下がるという結果になった。 通年性アレルギー試験においては、8週間、通年性アレルギー性鼻炎患者49名にプラセボか「L-92乳酸菌飲料」飲用してもらったところ、「L- 92乳酸菌飲料」飲用者に鼻汁、鼻閉で有意に低下が見られたほか、目のかゆみにもスコアの低下が見られた。医師の判断による全般改善度においても、52%の有意な改善が見られた。つまり、「L-92乳酸菌」の投与の、花粉症及び通年性アレルギー性鼻炎への有効性が示唆された。 (株)ヤクルト本社中央研究所は、「ビフィズス菌発酵乳の潰瘍性大腸炎抑制作用」について講演。潰瘍性大腸炎とは、大腸粘膜を侵し、びらんや潰瘍を形成する非特異性炎症で、患者数は増加傾向にある。血便、粘液便、下痢、腹痛を呈するもの。再発予防に、抗生剤やプロバイオティクスが注目されているという。 軽症〜中等症の活動期における潰瘍性大腸炎の患者20人に、12週間、無作為割付対象試験を行い、「ビフィズス菌発酵乳」あるいはプラセボを100 ミリリットル/1日、投与した。その結果、通常の治療も並行して行ったせいもあり、「ビフィズス菌発酵乳」投与群、プラセボ群ともに有意な改善が認められたが、「ビフィズス菌発酵乳」投与群にはさらに内視鏡スコアなどで改善が見られた。 また軽症〜中等症の緩解期潰瘍性大腸炎患者21名を対象に、100ミリリットル/1日の摂取量で無作為割付対象試験を12ヶ月行ったが、その結果、対照群が10人中9人の発生率だったにも関わらず、「ビフィズス菌発酵乳」投与群は発生率11人中3人と低かった。以上の結果から、ビフィズス菌発酵乳の飲用が潰瘍性大腸炎の緩解維持や活動期の炎症抑制に有効であることが示された。また、ビフィズス菌発酵乳による腸内フローラ構成の正常化が腸炎抑制の一因となっていると考えられた。また、同研究所は加えて、プロバイオティクスの免疫調節作用も発表した。 ほかに、キッコーマン(株)研究本部による「トマト抽出物のアレルギー抑制作用」、日本水産(株)中央研究所による「エイコサペンタエン酸含有飲料のアトピー性皮膚炎に対する治療効果」、兼松ウェルネス(株)健康食品事業部商品開発課による「免疫ミルクの開発経緯と展望」などの研究成果が発表された。

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