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康壇:::次世代型アミノ酸”L‐オルニチン”の可能性


[2005/10/03]

アミノ酸ブームに乗って、各種アミノ酸を配合した飲料やサプリメントの動きが好調であるが、最近、新顔のアミノ酸として「L‐オルニチン」が登場、健康・美容素材として話題を呼んでいる。L‐オルニチンは、人体を構成するたん白質には含まれていないが、遊離アミノ酸として存在。成長ホルモンを分泌させ筋肉合成を増強、また基礎代謝を高め肥満を予防する素材としてアメリカを中心に利用されてきた(ヨーロッパではダイエット用医薬品としても売られている)。日本では2002年12月15日の厚労省通達により、L‐カルニチン、MSMなどと共に食品扱いとなった。α‐リポ酸やL‐カルニチン、各種アミノ酸などと組み合わせ、ダイエットを訴求したサプリが数多く販売されている。しかし、米国特許などでは、筋肉増強用途の栄養剤や成長ホルモンの分泌促進剤、医薬用途として、免疫疾患者への栄養剤、肝臓障害の抑制・緩和剤などが出願、あるいは成立しており、健康効果に対する可能性の広さが伺われる。L‐オルニチンとはいかなるものか。素材供給メーカー、協和発酵工業の資料をもとに、その核心を探ってみたい。 人体のたん白質を構成するアミノ酸は20種類。うち体内で作ることができない必須アミノ酸9種と、他のアミノ酸から作り出せる非必須アミノ酸11種に分類されている。自然界にはこれらを含め、500種類を超すアミノ酸がある。L‐オルニチンは生体塩基性アミノ酸の一つで、主に肝臓に存在する尿素回路(オルニチン回路)におけるアルギニンの代謝中間体として重要。生体に有害なアンモニアを尿素に変換する回路で、老化とともにこの回路が回りにくくなり、アンモニア濃度が高くなるといわれている。肝臓の機能低下によりアンモニアの代謝が不十分となって発症する疾病に肝性脳症がある。代謝障害で脳内のアンモニア濃度が上昇、精神症状(意識障害)などを起こす病態である。オルニチン回路の重要性を示す一例でもある。L‐オルニチンは食品に普通に含まれており、経口投与により腸管で吸収され、肝臓、腎臓、筋肉に移行することが確認されている。特にシジミのエキスは100g中160r弱と高含有。シジミ汁が肝臓によいといわれるのも納得である。この解毒作用は運動疲労の低下にもつながる。成長ホルモンの分泌促進作用は米国特許でも示されているが、L‐オルニチンは脳下垂体を刺激し、成長ホルモンを分泌させることによりたん白合成を促進、糖と脂肪の代謝を促し、運動と組み合わせることによって体脂肪の減少と筋肉の増強に役立つとされる。さらに腸管の成長を促進しバリア機能を高める。またL‐オルニチンは、細胞の成長因子であるポリアミン合成の前駆体として知られ、美肌効果も期待される。この他、免疫系の機能改善や抗がん作用なども報告されている。味質にクセがなく、健康栄養素材として多用されている分岐鎖アミノ酸(BCAA)の苦味抑制効果も認められており、健康志向の食品開発に好適なアミノ酸である。

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