原料特集 情報提供:株式会社カネカ
“進化系”として再脚光浴びる万能型機能性素材 還元型コエンザイムQ10
体に働きやすい、体内に存在する状態と同じ状態の「還元型」コエンザイムQ10
2001年4月の食薬区分改正で医薬品成分から非医薬成分になり、食品としての販売が可能となったコエンザイムQ10。それまで国内では「ユビキノン」の名称でうっ血性心不全の補助治療薬として知られていたこともあり、サプリメント業界では“大型新人”の登場に一躍注目が集まった。その後、反動もあったが、昨今はその名の前に「還元型」と冠した末端製品が目立つようになり、再脚光を浴びつつある。“進化系”ともいえる「還元型コエンザイムQ10」のチカラにフォーカスする。
還元型コエンザイムQ10のなにが優れているのか
食品として販売解禁以降、多くの製品が流通したコエンザイムQ10。実はそのほとんどが「酸化型」のコエンザイムQ10だったことはあまり知られていない。酸化型でももちろん機能はする。だが、体内で機能するためには、「酸化型」は一度「還元型」に変換される必要がある。逆に還元型は、体内に存在する状態のため、そのまま活用できる。そうしたことから「還元型」は“進化型”のコエンザイムQ10ともいわれ、その機能性に大きな注目が集まっている。
活用までのロスがないことが何を意味するのか。コエンザイムQ10は、体内のエネルギー産生にかかわる補酵素。つまり、人間の生命活動の源を作り出す役割を担う。従って、活用されるまでのロスはできるだけ少ない方が望ましい。特に疲労している場合や高齢者の場合、コエンザイムQ10の絶対量が減少しているため、できる限り有効にコエンザイムQ10が活用される必要がある。酸化型でも摂取することでエネルギー産生につながるが、ロスがあるため、そのこと自体でエネルギーを消費してしまう。一方、還元型では、すでに“スタンバイOK”状態のため、活用効率にすぐれ、体にも負担が少ないというわけだ。
ヒトにとって重要な意味を持つ物質
では一体、コエンザイムQ10はどんなメカニズムで生体に作用するのか。ヒトが食事により糖やたんぱく質、脂質などの栄養を摂取するとミトコンドリアによってATP(エネルギー)が産生される。コエンザイムQ10は、約60兆個といわれるヒトのミトコンドリア内に多く含まれるが、還元型のコエンザイムQ10が多ければ食物はそれだけきちんとエネルギーに変換される。だが、少ないとエネルギー不足となる。つまり、還元型のコエンザイムQ10がミトコンドリア内に少ない状態だと、たくさん食べてもエネルギー不足という病的な事態に陥りかねない。
そうした観点からみると、コエンザイムQ10、とくにすぐにエネルギー産生に活用される「還元型」は、ヒトにとって極めて重要な意味を持つ物質ということになる。
アンチエイジング、ダイエット、
疲労改善など実証される多様な機能性
その優れた機能性は、多くの報告がある。アンチエイジング(シワの改善など)、ダイエット、慢性疲労の改善、免疫細胞の活性化、ドライマウス、歯肉炎・歯周病など、確認されている改善効果は多種多様(表参照)。加齢によって減少することや酸化型に比べ、有効となる時間の速さなども科学的に証明されている。さらに、他のサプリメント成分のチカラをより引き出す効果も期待されており、副剤としての利用価値も注目されている。
食品での活用の動きも出始め、より身近な存在へ
コエンザイムQ10は、ヒトの体内でも合成されるが、残念ながら加齢とともに減少する。従って、健康維持のためには食品やサプリメントなどから摂取する必要がある。高齢者にとっては、錠剤やカプセルタイプでは摂取しづらい側面もある。そこで、市場では還元型コエンザイムQ10を一般食品に含有させ、流通する動きも出始めている。

もともと優れた成分なだけに、そうした展開で普及し、それに伴いその役割が消費者にしっかりと理解されれば、今度は「還元型コエンザイムQ10」として再脚光を浴び、真の意味でのサプリメントの代表的素材にまで成長する可能性もありそうだ。
トピックス
食卓から減りつつある
還元型コエンザイムQ10
コエンザイムQ10の血中濃度の半分程度は食物由来であり、食事はコエンザイムQ10についても重要である。一般的に食物からは5mg程度摂取していることからすると、食物のコエンザイムQ10の吸収はサプリメントよりかなり効率がよい。コエンザイムQ10が多く含まれている食品としては、最も多いといわれるのがいわしで100グラム中に6mg強を含有する。ついで豚肉、牛肉、オリーブオイルと続く。健康的な食生活を送っていれば、1日5mg程度のコエンザイムQ10が摂れているといわれる。

しかし、いわしといえばかつてはどこの家庭の食卓にも常連だったが、食生活の変化や価格高騰などにより、いわし離れが加速している。また、高齢者やコレステロールが高い方、あるいはダイエットをしている人では肉の摂取量も減っており、コエンザイムQ10量の摂取量も知らぬうちに減ってしまっているなど、コエンザイムQ10が食卓から減ってきている現状がある。そのため、コエンザイムQ10を意識的に摂取することが大切である。
還元型含有食品
還元型のサプリメントのほか、食品に含有した形態の末端製品も流通している。レトルトカレーや黒糖などがあり、ネット通販などで購入できる。今後も食品へ配合した形の製品が出る予定があるといい、含有を示すマークを貼付する動きも出ている。手軽に還元型コエンザイムQ10を摂取できる環境が着実に整いつつあるようだ。
