TOPページ > 薬事法研究室 > 実践編【温故知新(8) 第16回】

-温故知新-

【第8回】「日本薬師堂のWマーケティング」

Wマーケティングの事例も5回目になりますが、今回は日本薬師堂の事例をご紹介いたします。

 医薬品通販を考えた場合、ビジネス戦略の基本は店販ではなく、通販だからこそ買いたいと思わせる事だと思います。

その戦略もいくつかあると思いますが、

  1. 薬局等で買うのがためらわれると思う商品をターゲットとすること
  2. 「語れる商品」をターゲットとすること
  3. 健康食品とのシナジー効果を図ること

などがあげられます。

 ここでは③についてみてみましょう。

医薬品(特に*OTC)は規格の世界で型にはまった商品が殆どで差別化が難しいのですが、これに広告戦略が容易な健康食品を組み合わせる事によりシナジーを発揮させることが可能となります。

日本薬師堂は、医薬品広告では「グルコンEX錠」を宣伝。毒蝮三太夫さんをキャラクターに「ヒザ、腰、肩の痛み改善!!グルコサミンでおなじみの日本薬師堂から医薬品誕生。」等効能効果を十分うたいます。

一方、健康食品広告は「EX21グルコサミン」という名称で、お客様の声を中心に「体の動きをスムーズに!!さらに動きがスムーズ!そして階段の上り下りも、その上旅行も!しかも信頼のお値段。」「正座もしっかり!!」といった見出しでひきつけます。医薬品と健康食品の広告がお互いのマイナス点を補完し引き立てあう結果となっています。

 また、②を見てみると、日本薬師堂の広告はオシャレでかっこいいものではなく、「語れる商品」=説明書きも多く泥臭く語っているものです。色使いも赤と緑のコテコテで派手なもの。実は、健食広告のヒット例は泥臭いものがおおく、このような広告だと「ちょっと電話してみようか」という気になり、店販では取り込めないお客様を取り込める効果があるようです。

いかがでしたでしょうか。

大手を含め、同業他社の広告や販促に関心を持つ事は大事な事であり、それらの点検の中から新しいヒントや活用が生まれます。審査の目を通っている新聞や大手雑誌、インターネット大手企業のサイトなど時間のあるときにいろいろご覧になる事をぜひお勧めいたします。

*OTC →over the counter drugの略で、一般用医薬品、大衆薬のこと。
TOPページ > 薬事法研究室 > 実践編【温故知新(8) 第16回】