TOPページ > 薬事法研究室 > 基礎編【薬事法をひもとく第16回】

薬事法をひもとく

【第16回】健食と化粧品の販促表現研究講座
「事例で学ぶ販促研究」その4

新シリーズとして「健食と化粧品の販促表現研究講座」をスタート、今回が4回目となります。実践的な事例でのbefore-afterはお役に立っているでしょうか?
今回も、実際の健康食品と化粧品それぞれの広告事例を一つずつピックアップ、添削前と添削後の広告文面をご紹介していきたいと思っています。理論を生かし、実務につなげる良いステップですので、ぜひ学習を進めて頂きたいと思います。皆様の販促表現の一助になれば幸いです。

【健康食品 篇】~美容サプリの広告の一部です。

■ 添削 前

毎日「〇〇青汁」をおいしく飲んでいます。
「グッドナイト●●」には、×××や〇〇〇などリラックス作用に優れた天然のハーブ、さらにショウガ、爽やかな朝をサポートする濃縮ブルーベリーエキスなどをバランスよく処方。寝る前に飲むことで、心身の緊張を優しく解きほぐしてくれます。

さあ、この文章表現はどうでしょうか? 添削していただきたいと思います。すっと読めてしまう文面ですが、直したほうが良い点が4箇所ほどあります。

■ 添削 後

「グッドナイト●●」には、×××や〇〇〇など(1)リラックスに優れた天然のハーブ、さらにショウガ、爽やかな朝をサポートする濃縮ブルーベリーエキスなどをバランスよく(2)配合(3)心身の緊張を優しく解きほぐして(4)リラックスした時間を。

いかがでしょうか。下線の部分が修正点で、添削がかかった所になります。

では、簡単に説明していきましょう。

(1)「リラックス作用」→「リラックス」として下さい。「作用」という文言は医薬品的表現で体の変化を示唆するものとなりますので省きましょう。

(2)「処方」→「配合」にしましょう。「処方」は医薬品的文言となりやはりNGです。

(3)「寝る前に飲むことで、」→削除してください。医薬品と判断される4つの基準(おぼえていらっしゃいますか? ①成分 ②剤形(形状)③用法容量 ④効能効果です)のうち、用法容量の飲む時刻の指定の規制にかかります。いわゆる「食前」「食後30分おいて」等の飲む時刻はうたえません。

(4)「くれます」→「リラックスした時間を」に変えます。本文では、緊張がほぐれた体の状態になるという意味合いに取れます。これは、体の変化を述べていることになりますのでNGです。「心身の緊張をやさしく解きほぐしてリラックスした時間を」というあいまいな表現にする中で、本来のメッセージを伝えていきましょう。

【化粧品 篇】~小ジワ専門美容液の広告の一部です。

■ 添削 前

本当は知りたい、若さのヒント!

「翌朝にはピンとしたハリが!」
〇下 ×恵様(42歳)
●●●を使い出してまだ数日。それほど経ちませんが、肌に張りが出てきて嬉しく思います。使い心地は気持ちよく、使っていると確かに翌朝にはピンとしたハリが。一昨日久しぶりにお会いした方に誉められて、教えたくなかったけど●●●のことを教えてあげました。

■ 添削 後

本当は知りたい、(1)美しさのヒント!

「翌朝には(2)ハリが!」
〇下 ×恵様(42歳)
●●●を使い出してまだ数日。それほど経ちませんが、(3)肌に張りを感じます。使い心地は気持ちよく、使っていると確かに翌朝には(4)ふっくらとしたハリが。一昨日久しぶりにお会いした方に誉められて、教えたくなかったけど●●●のことを教えてあげました。

いかがでしょうか。下線の部分が修正点で、添削がかかった所になります。
では、簡単に説明していきましょう。

(1)「若さ」→「美しさ」として下さい。「若さ」や「若返り」は基本的なNGワードですので、ここでは美容液という事も有り「美しさ」としました。「若々しさ」でもOKです。

(2)「ピンとしたハリが」→「ハリが」とします。

化粧品の効能の範囲で「肌にはりを与える」というのはあるのですが、適性広告基準で“シワを解消する効果”を標榜する事は許されていません。「ピンとした」という表現はこれに抵触しますので、表現を考えましょう。

(3)「肌に張りが出てきて嬉しく思います」→「肌に張りを感じます」と変えます。

化粧品の効能の範囲で許可されているのは「外からハリを与える」というもの。「出てきて」は肌内面からの変化を述べているようにとれるためNGです。

(4)「ピンとしたハリが」→「ふっくらとしたハリが」とします。

解説としては(2)と同じです。

以上、事例を2つ説明して参りました。

皆さんが実務で使われるのは、生きた文章であり、その表現を考えるには基本的な表現知識(言い換えの手法や因果関係の切断 等)と多くの経験が必要です。審査の厳しい中で許された新聞広告の表現や信用あるセミナーやメルマガ等で学習した表現、その引出しをいかに多くもっているかが決め手になります。「学習の眼」を持つ意識を忘れずに、今後もがんばって頂きたいと思います。

TOPページ > 薬事法研究室 > 基礎編【薬事法をひもとく第16回】