医薬品・医療機器の臨床開発・薬事業務を担うCRO(株)MICメディカル。医療機器メーカーに対する薬事申請業務サポートや海外の医療機器メーカーの日本市場参入時のサポート業務で長年の実績を持つ。モニタリング業務担当者(CRA)の派遣に力を入れているのも特徴で、実務経験を持つ看護師、薬剤師、MR(医薬情報担当者)を採用。高水準の教育研修を実施している。これらの研修をクリアした質の高い臨床試験のモニタリング業務担当者を派遣している。今後はアンチエイジング関連ベンチャー企業と提携することで、トクホを始めとする健康食品や化粧品分野へ本格的に参入する。同社・間瀬正三社長に業務の特徴や今後の展開などについて伺った。
間瀬 当社は、海外医療機器メーカーが日本市場へ参入する際の薬事法関連の書類作成業務代行や製造承認などの申請業務代行を行う国内管理人として1986年に設立されました。以来、承認申請をフォローするなど、薬事関連業務を中心に拡大してきました。創業から本年5月末までに当社がサポートした薬事申請承認件数は、断トツの1214件の実績を上げています。
2000年には医薬品開発支援のCRO事業に進出しました。そして現在はクライアントである医療機器メーカーや製薬メーカーの要望、費用、期間などのニーズに合わせたモニタリング業務を展開しています。CRAに関して言えば現在、約290人いる社員の約半数を40社のクライアントへ派遣および受託により、モニタリング業務を行っています。派遣人数、派遣先数ともに業界内でトップと自負しています。
間瀬 モニタリング業務を委託および派遣化することでクライアントは人材を有効活用できることから、人件費などの費用を抑えることができます。特に派遣は、社内で作業の進行状態を見ながらプロジェクトを進められ、もしエビデンスの取得が困難だと判明した場合も、直ちに計画の立て直しが図れるといった利点があります。臨床試験を担当する派遣スタッフは、当社で正社員として雇用し、治験現場を想定したロールプレイングおよびプレゼンテーションなどにウエイトを置いた研修を行っています。クライアントがモニターの専門性を求めており、モニタリング業務の派遣依頼は年々増えています。
間瀬 臨床試験における医療用画像解析の分野に力を入れています。医療用画像解析とは、 医薬品および医療機器の臨床試験評価のために、対象疾患の病巣形態をCTなどの医療用診断装置で診断。その結果を2次元あるいは3次元化し、デジタルとしてデータベース化する技術です。デジタル化、ビジュアル化したことで視覚に訴えることができ、より説得力のある治験データの提供が可能になります。当社は現在、医療用画像解析を医薬品および医療機器の評価に利用していますが、健康食品の評価にも応用が可能です。例えば健康食品の摂取により骨密度が上昇した、また内臓脂肪が減少したといった、自覚症状だけでは明確に分からない部分や、数値のみのデータではすぐに理解できない点もデジタル化、ビジュアル化により一目で分かります。
医療機関により使用している医療用診断装置は異なりますが、医療機器の規格の相違や技術者の技量などで発生する数値の誤差を調整し、均一したデータ提供が可能です。当社は、測定結果を同じ指標に変換し均一化する技術を持っています。これにより精度の高いデータをクライアントに提供できます。
ここ数年、医療用画像解析の依頼は増えています。またこの技術は国内だけでなく海外企業からも評価され需要も高まっていることから、今後国内だけに留まらず、海外の企業と提携し国内企業の海外進出を積極的に支援していきたいと考えています。
間瀬 当社では健康食品や化粧品分野のエビデンス取得は今後需要が増えてくるビジネスの1つと捉え、今年1月にアンチエイジング関連ベンチャー企業である(株)セルガレージと提携を結びました。同社は内臓脂肪細胞の分化誘導系を再現したキットや、肝細胞などの様々な初代培養細胞を開発・製造販売し、製薬メーカーや食品メーカーなどの研究機関へ提供するなど、生活習慣病などに対応した製品の研究および開発をサポートする事業を手がけています。このほか抗加齢医学をベースにした健康食品などの製品開発のサポートを行っています。また、(株)セルガレージは日本抗加齢医学会の理事である米井嘉一教授が中心となって設立した、抗加齢医学に携わる医療機関、企業を会員にもつ(株)アンチエイジングバンクや健康食品、化粧品を扱う商社と提携するなど、健康食品や化粧品、抗加齢分野におけるネットワークを持っています。当社の持つ医薬品や医療機器に関する長年の臨床開発実績のノウハウと、(株)セルガレージの持つ健康食品、化粧品分野のネットワーク力などのお互いの利点を生かして、健康食品や化粧品分野に進出することが狙いです。
健康美容業界が拡大し、様々な製品が市場に出回る中、消費者も健康食品、化粧品についての知識を身につけてきています。このためエビデンスの有無は製品選択基準の1つとして重要性が浸透しつつあり、健康食品や化粧品メーカーにおいてもエビデンス取得のニーズは高まっています。事実、健康食品・化粧品メーカーからエビデンスを取得したいという依頼が増えています。
間瀬 2003年に医療機関の経営や開業などのコンサルティングを行う、総合メディカル(株)と資本提携を結び、総合SMO(株)を共同で設立しました。今後も他の友好SMOと業務提携を結ぶことで、提携先企業との利点を生かし事業の拡大を図っていきたいです。また今後トクホ・健食の臨床試験を行っているCROとの業務・資本提携などにより、健康食品の臨床試験分野を伸ばしていきたいと思います。
間瀬 CROを選ぶポイントとして、クオリティ、コスト、スピードの3点が重要です。当社はこれらの3点を満たしています。長年培ってきたノウハウと経験豊富なスタッフが多くいることから、クオリティの高いサービスの提供が可能です。また当社はCRAの派遣業務がベースにあり、1つの試験終了から次の試験に取りかかるまでのブランクが無いことで、人材を有効活用できることからコストパフォーマンスに長けており、価格面の競争力で負けません。またクライアントに求められているエビデンス取得期間のスピードを熟知したプラン設定の対応力では評価を頂いています。
エビデンス取得はコストがかかりますが、消費者に対しただ効くという説明では消費者の購買力を得るのは難しいと思います。エビデンスを取得することで、製品に対しより一層高い信用を得ることができます。急がば回れというように、長い目でみた場合、具体的な数値あるいは画像解析データ、指標を表示することは重要です。
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