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CRO紹介 -シミック株式会社-

日本初の草分け的CRO
トクホと化粧品専門チームつくり本格化

エビデンスを取得するために、どのCROを選ぶべきなのか。各CROの特徴をつかむために、各社の紹介を行う。第2回目の今回は、日本初のCRO 企業であり、日本CRO協会会長会社であるシミック(株)(本社東京、中村和男社長)の健康食品・化粧品を担当する同社のコンサルティング事業本部事業コンサルティング部担当部長の坂本知紀氏に話を聞いた。

――日本初のCROであり、日本CRO協会会長会社でもある、業界を主導する存在ですね。

坂本 設立は85年、CRO事業を立ち上げたのが92年です。この間に携わった治験実施計画 数は約150件、従業員数も9月末には約1,500人となり、売上は 04年9月期には対前年度比30%増の107億円を計上しました。特に、97年に新GCPが施行されてから医薬品メーカーからの受託が増えたことから急成 長を遂げ、今年9月には東証一部上場を果たしました。CRO協会会長会社としては、常に業界の規範的存在でなければならないと思っていますし、上場企業と なって、社会的責任も再認識をしております。

――受託業務の9割が医薬品の臨床試験ということですが、健康食品や化粧品にはどう取り組んでいらっしゃいますか?

坂本 化粧品の受託業務を始めたのは12年前、トクホは5年ほど前からです。そして、 昨年4月にトクホを始めとする健康食品や化粧品専門の部署として、当時の戦略・薬事コンサルティング部の中に「第三グループ」を設置し、私がリーダーに就 任しました。専門部門を作ったことで、これらの分野の業務支援を強化していく方針を明確に打ち出したわけです。今年10月に組織改革をいたしましたが、そ の政策は堅持してまいります。

 

食品や化粧品のクライアント様は、弊社が主に医薬品の臨床試験を手掛けていることで、食品・化粧品の試験でも厳格に行うのだろうと思われるようで す。勿論、厳格で、高品質な試験を実施するのですが、誤解して頂きたくないのは、品質過剰な試験を行うのではないということです。医薬品とは異なり、食品 や化粧品の特性を踏まえ、必要十分な高品位な成果をご提供することを基本としております。

――御社の強みはどんな点ですか?

坂本  まずは、社内に豊富な人材がいることです。また、学術顧問として、健康食品の権威である茨城キリスト教大学教授の板倉弘重氏や元・愛知県ガンセンター総長の小川誠一氏を始めとする多くの専門家と、提携しております。疫学の大家である松井研一は執行役員です。

 

加えて、医薬品の臨床開発で蓄積した広範囲なノウハウ、医学専門家との人脈、医療機関との連携体制があります。グループ会社のシミックCRC㈱が実施した医療機関数は300弱、複数プロトコール受託医療機関数は800施設を超えています。

 

支社が全国7ヶ所にあることで利便性があり、関連会社11社(うち海外法人3社)など、グループ各社との連動による支援体制が整っていることも特徴 です。 例えば、マーケティング会社である㈱シミックMPSSでは、「売り方としてコールセンターを設置して通販を行ったらどうですか」とか、PCN㈱では「こう いうHPにバナー広告を出稿したらどうですか」といった提案をしたり、「この世代にはこういうものが売れている」というような事前調査をすることもできま す。こうしたグループ会社のリソースを馳駆してコンサルティングを行っています。勿論、トクホや化粧品などの許認可に関わる薬事的コンサルティングや試験 の実施が主業務ではあることは言うまでもありません。

 

ヒト試験の実施では、品質の高さを維持するために非常にきめ細かな被験者管理を行っています。例えば、CRCなどによる頻繁なフォローを行うことで、コンプライアンスを高め、高品質な結果を得る施策を展開します。

――医薬品以外の実績はいかがですか。

坂本  思っています。一方、コンサルティングは数え切れないくらい行っています。弊社ではコンサルティングの段階でそのヒト試験の概要を検討し、必要な助言を申 し上げるのですが、クライアント様のご意向と合致しない場合はお断りするケースもあるのです。例えば、詳細な試験のお見積もりをクライアント様にご提示す るのですが、クライアント様がこの評価項目は必要ないと判断すれば、場合によっては外しますが、評価項目によってはこれを行わないと適正な評価は困難、す なわち試験として成立し難いと思われるなら当社では受託をご遠慮申し上げる場合もあるのです。また、トクホを取得したからといって必ずしも売れるとは限り ません。マーケティング的に取得の意味があるかどうかも確認します。

――小規模オープン試験を行って、トクホレベルのデータが取得できるか確認することはないのですか。

坂本 そういうケースもあります。当初から大規模ヒト試験を設計するのはリスクが高いことで す。また、小規模試験といえば、卸店・小売店に売り込むための販促用 資料として科学的根拠が欲しいというクライアンと様からの需要も最近は増えております。この様な要請にも小規模オープン試験を提案する場合があります。先 日は、食品で皮膚の保湿の試験をしたいというご依頼があり、適切な規模の摂取試験を提案しました。

――治験の価格はどのくらいですか。

坂本 被験者数100名を超える無作為化比較ヒト試験(RCT)のケースで、平均30万円/名ですね。CT撮影を行うとか、特殊な臨床検査を実施するかどうかによってもだいぶ変わってきますが。

――業界の中には、かなり安い価格で試験を請け負う会社もありますが。

坂本 価格の安い試験を提案しているCROの中には、個々の業務が別料金になっている 会社もあります。注意して委託しないと、後から追加的に費用が掛かる場合も あるようです。また、被験者が少人数だから安く試験できるといっている企業は、アドバルーン的に標榜している可能性もあります。適正なデータを取得するに は、最低限必要な被験者数、評価項目、期間等があり、相応のコストが掛かります。

例えば、SDV(原資料閲覧)は、必ずしも行わなければならないものではありませんが、トクホの申請資料とする場合は、SDVの実施を推奨しております。

――健康食品業界へのメッセージはありますか。

坂本 製品の有効性・安全性に関わる科学的根拠を所有したい企業が増えているのは事実です。 消費者の知識が豊富になってきて、「過去50年売っていたから、体に 良い」では納得しなくなってきています。購買誘引の要素として、製品のトクホあるいはエビデンスベイシスサプリメント(EBS)は有用な謳い文句となるの は確かだと思います。とはいえ、エビデンスがあれば売れるというのは考え違いです。購入者の目線に立ったマーケティングやヒト試験を行って欲しいと思いま す。まずは相談にお越しください。

 

 
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